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タイの地震でビルが倒壊、あなたの住まいは大丈夫?日本の耐震基準から見る安全性

執筆者:周周2025-04-08
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2025年3月28日、ミャンマー中部でマグニチュード7.7の強い地震が発生し、深刻な被害をもたらしました。震源はミャンマーでしたが、約1,000キロ離れたタイのバンコクでも明確な揺れが観測され、建設中だった34階建てのビルが1棟丸ごと倒壊するという、多くの人に衝撃を与える映像が報じられました。これをきっかけに、「自分が住んでいる建物は、大地震が来ても本当に大丈夫なのか」と考え直した方も少なくないでしょう。まず結論からお伝えすると、耐震性は「新しいかどうか」だけでは判断できません。構造、地盤、施工、管理、修繕、耐震診断や補強の履歴など、さまざまな要素が安全性に影響します。(出典:時事通信、日経クロステック等の2025年報道)

一、この地震では何が起きたのか。震源はミャンマー中部で、マグニチュードは7.7でした。震源から遠く離れたタイのバンコクでも、建設中だった鉄筋コンクリート造の高層ビルが1棟倒壊し、タイ当局は一部の鉄筋が低品質だった可能性なども含めて調査を行っています。倒壊の正確な原因については今後の公式調査の結果を待つ必要があり、この記事で早計に断定することは避けますが、住宅購入を検討する上で非常に良い教訓になる出来事だと言えます。

二、なぜ震源から遠く離れた場所でも揺れ、倒壊まで起きたのか。ポイントはいくつかの現象にあります。地震波は非常に遠くまで伝わること、軟弱な地盤や盆地では揺れが増幅されること、そして長周期地震動によって高層ビルに共振が生じやすいことです。したがって「震源から遠い=安全」というのは誤解であり、地盤や建物の特性のほうが距離よりも重要であることが多いのです。

三、倒壊の原因を早計に断定しないこと。建物が倒壊するかどうかには、設計、施工、材料、地盤、構造など複数の要因が関わっており、正式な調査結果を待つ必要があります。重要なのは特定の対象を非難することではなく、自分が購入しようとしている物件について、こうした各要素がきちんとチェックされているかを見極める力を身につけることです。

四、日本の耐震基準の変遷。

📌 3つの重要な時期

・旧耐震:1981年6月1日より前の基準
・新耐震:1981年6月1日から大幅に強化
・2000年:木造住宅にさらに規定を追加(地盤調査、接合金物等)
判断の基準は「建築確認」の日付であり、完成日ではありません。
出典:日本国土交通省(建築基準法の耐震基準)

五、耐震等級について。等級1は建築基準法に適合する基本水準、等級2は約1.25倍、等級3は約1.5倍の強度です(消防署や病院などでは等級3が採用されることが多いです)。ここで注意が必要なのは、等級が高いほど相対的に強いことを意味しますが、「絶対に損傷しない」「絶対に倒壊しない」ことを意味するものではないという点です。

六、耐震・制震・免震の違いとは。

種類仕組み特徴
耐震構造自体の強度で耐えるコストが比較的低く、最も普及している
制震ダンパー等の装置を設置して揺れを吸収する中高層建物でよく採用され、揺れを軽減する
免震基礎に免震層を設け、建物と地面を「切り離す」コストは最も高いが効果が高く、高級物件や重要施設によく採用される

七、新耐震基準なら必ず安全なのか。そうとは限りません。地震の規模、地盤、施工品質、経年劣化、管理や修繕の状態がいずれも安全性に影響します。新耐震基準は最低限の基準であり、絶対的な安全を保証するものではありません。

八、旧耐震基準の物件は購入できないのか。そうとも限りません。耐震診断や耐震補強を実施済みで、管理や修繕がしっかり行われており、立地が良く価格も妥当であれば、旧耐震基準の物件でも検討の余地はあります(これは「購入時に避けるべき物件ガイド」の記事とも一致する考え方です)。重要なのはきちんとチェックされているかどうかであり、築年数そのものではありません。

九、地盤の重要性。同じ規模の地震であっても、軟弱地盤、埋立地、河川沿い、低地に建つ建物は、揺れや液状化のリスクが高くなります。傾斜地では土砂災害にも注意が必要です。一部の物件では地盤改良工事が行われている場合もあります。各自治体が公表しているハザードマップや地震動予測を確認し、その土地の特性を事前に把握しておくとよいでしょう。

十、高層住宅の地震リスク。長周期地震動が発生すると、高層階では揺れが顕著になり、家具が転倒しやすくなるほか、エレベーターの停止、停電、断水が発生することもあります。階数が高いほど、災害後の生活機能の復旧にも時間がかかります。タワーマンションを購入する際は、「地震後にどう生活するか」まで含めて考えておく必要があります。

十一、内見時に確認すべきこと。

✅ 耐震関連チェックリスト

・建築確認の日付(新耐震か旧耐震かの判断材料)
・検査済証
・構造(RC造/SRC造/木造)
・耐震診断・補強の履歴
・修繕履歴
・地盤に関する資料
・ハザードマップ(洪水、液状化、土砂災害)

十二、重要事項説明書の確認ポイント。耐震診断の有無、アスベスト、土砂災害、洪水、液状化に関する記載、そして建物状況調査(インスペクション)の実施状況などを確認しましょう。これらはリスクを判断する上で重要な項目ですので、分からない場合は仲介会社に一項目ずつ説明してもらいましょう。

十三、購入後の防災対策。家具の固定、防災用品や飲料水、モバイルバッテリーの備蓄、避難経路の確認、マンションの防災計画の把握などが挙げられます。耐震性はハード面、防災対策はソフト面であり、両方をきちんと備えておく必要があります。

補足:日本の耐震基準は、幾度もの大地震を経て築かれてきたものです。1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、そして近年発生した数々の地震により、法規制と工法は継続的に見直され、強化されてきました。だからこそ「建築確認の日付」が非常に重要になります。それは、その建物が当時どの世代の基準で建てられたかを決定づけるものだからです。

補足:構造の違いによって特性も異なります。代表的なものに木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)があります。一般的にRC造・SRC造は剛性や遮音性に優れ、木造は軽量でリフォームしやすいという特徴があります。どの構造が絶対的に優れているというものではなく、設計、施工品質、その後のメンテナンスがしっかり行われているかが重要です。

補足:旧耐震物件はローン、保険、補助金の面でも違いがあります。旧耐震基準の物件は、ローンの借入期間が短くなったり、金融機関の評価が保守的になったりすることがあります。一方で、多くの自治体では耐震診断や耐震補強に対する補助制度を設けています。購入前に、物件所在地の自治体にそうした制度がないか調べてみることをおすすめします。安全面でも家計面でもメリットがあります。

補足:地震保険と火災保険は別物です。日本では、地震や津波による損害は、通常「地震保険」に別途加入しなければ補償されません。火災保険だけでは不十分です。地震保険には一定の補償上限や制度上の規定がありますので、住宅購入の予算を立てる際には、この費用も忘れずに組み込んでおきましょう。

補足:タワーマンションでは「長周期地震動」について特に理解しておく必要があります。高層建物は長周期地震動が発生すると大きく、ゆっくりと揺れます。構造自体は損傷しなくても、家具の転倒、エレベーターの停止、停電、断水などが生活に深刻な影響を与えることがあります。高層階に住む場合は、家具の固定と防災備蓄をしっかり行うとともに、マンションの緊急時対応やエレベーターの復旧の仕組みについても理解しておきましょう。

補足:「耐震」は「無傷」を意味するものではありません。耐震基準の主な目的は、大地震の際に人が避難する時間を確保し、建物が倒壊しないようにすることであり、壁や配管、内装がまったく損傷しないことを保証するものではありません。この点を理解しておくことで、「新耐震基準の建物を買ったから万全だ」と思い込み、日頃の防災対策を怠ってしまうことを防げます。

補足:耐震関連の書類が分からない場合は、専門家に確認してもらいましょう。耐震診断報告書、構造図、重要事項説明書には専門的な内容が多く含まれており、分からなくても不思議ではありません。必要に応じて建築士や住宅診断(ホームインスペクション)の専門家に判読を依頼することをおすすめします。少しの費用で安心を得られるほうが、後悔するよりもずっと良い選択です。

📝 ポイントまとめ

・震源から遠いことは安全を意味しません(地盤、長周期地震動、高層建物の共振に注意)
・築年数だけで判断せず、「新耐震基準かどうか」だけにも頼らないようにしましょう
・構造、地盤、管理、補強の状況をすべて確認しましょう
・建築確認の日付、検査済証、ハザードマップを活用しましょう
・購入後は家具の固定と防災対策も忘れずに

この記事はこんな方におすすめです:
・日本での住宅購入を検討中で、地震の安全性を重視される方
・中古住宅や高層住宅の購入を検討している方
・内見時にどの耐震関連書類を確認すべきか知りたい方
・海外の地震のニュースを見て、自宅の安全性が気になり始めた方

この記事を読んだ後、次にできること:
・物件を見る際はまず建築確認の日付と構造を確認する
・所在地のハザードマップ(洪水/液状化/土砂災害)を確認する
・仲介会社に耐震診断・補強や修繕履歴の資料を依頼する
・資料をシュウにお送りいただければ、耐震性や災害リスクを確認いたします

ご検討中の物件について、耐震性、地盤、災害リスクにご不安がある方は、資料と重要事項説明書をシュウまでお送りください。まずリスクの方向性を整理させていただき、必要に応じて専門家のご紹介もいたします。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法律、税務、金融、投資に関する助言を構成するものではありません。実際の内容は必ず政府機関、関連の専門家および最新の調査結果をご確認ください。

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