最近、台湾では台風の影響で各地から浸水被害のニュースが相次いで報じられており、お客様から「シュウさん、日本で住宅を購入した場合も浸水するリスクはありますか?」というご質問をよくいただきます。これはとても大切なテーマなので、今回はこの話題に合わせて、日本の排水・治水対策がどれほど優れているのか、浸水のリスクはあるのか、そして住宅購入前に浸水リスクのある物件をどう避ければよいのかを詳しく解説します。
🗺 物件の防災リスク、シュウ(周周)がお調べします
気になる物件はありますか?住所をシュウ(周周)にお送りいただければ、浸水・土砂災害のリスクを調べて、中国語で分かりやすくご説明いたします。
💬 LINEでシュウ(周周)に調査依頼まず良いニュースから:日本の治水対策は本当に優れています日本は台風や豪雨の多い国であるため、治水対策が非常に徹底しています。全国の下水道普及率は令和6年度(2024年)末時点で約81.8%に達しており、大都市圏ではさらに高い水準です。河川整備、雨水下水道、防潮水門なども非常に整っており、全体的な排水能力は世界でもトップクラスといえます。(出典:国土交通省/日本下水道協会 下水道統計)
圧巻の存在:埼玉の「地下神殿」日本の治水技術を象徴する施設が、埼玉県春日部市に位置する、地下約50メートル、全長約6.3キロメートルの「首都圏外郭放水路」、通称「地下神殿」です。大雨の際には、中川や綾瀬川といった中小河川で急増した水を、まずこの巨大な地下水槽に取り込み、その後江戸川へと排水することで、首都圏の浸水被害を大幅に軽減しています。「地下神殿」と呼ばれる調圧水槽は、長さ177メートル、幅78メートル、高さ18メートルで、内部には1本あたり約500トンの柱が59本立ち並んでいます。2006年に全線が完成し、現在は予約制で見学も可能な人気スポットとなっています。(出典:国土交通省/首都圏外郭放水路)
ただし誤解のないように:日本で住宅を買えば浸水しないというわけではありません治水対策は非常に優れているとはいえ、近年は異常気象や短時間強雨(線状降水帯)の発生頻度が高まっており、日本でも当然浸水は起こり得ます。特に注意すべきなのが「内水氾濫」と呼ばれる現象です。降雨量が下水道や排水設備の処理能力を超えた場合、あるいは河川の水位が上昇して水が逆流した場合に、堤防の決壊とは関係なく市街地で浸水が発生することがあります。したがって「日本で住宅を買えば浸水の心配はない」というのは誤解であり、本当に重要なのは物件そのものの立地条件を確認することです。
実際の事例:高級タワーマンションも被害に2019年10月の台風19号では、神奈川県の「武蔵小杉」にある有名なタワーマンションが浸水被害を受けました。当時、多摩川の水位が急上昇し、河川の水が下水道を通じて逆流し、最終的に建物の地下(地下3階)にある電気設備室に流れ込みました。約9,000トンの水により建物全体が停電・断水し、エレベーターやトイレも使用できなくなり、多くの住民が1週間以上にわたって通常の生活を送れない状態になりました。この事例が示す教訓は明確です。たとえ新しい高級タワーマンションであっても、地盤が低く、重要な電気設備が地下に設置されている場合には、同様のトラブルが起こり得るということです。(出典:日経クロステック/日経ビジネス 2019〜2020年報道)
住宅購入前に必ず確認:「ハザードマップ」日本の各地域には、公的機関が公開している「ハザードマップ」があり、住宅購入前には必ず確認すべきです。最も便利なのは国土交通省の「重ねるハザードマップ」(disaportal.gsi.go.jp)で、住所を入力するだけで、その土地の洪水・内水・津波・土砂災害のリスクを重ねて表示でき、「想定浸水深」、つまり万が一浸水した場合にどの程度の深さになるかも確認できます。各市区町村の公式サイトにも独自の洪水・内水ハザードマップが公開されているので、両方を照らし合わせて確認することをおすすめします。(参照:国土交通省 重ねるハザードマップ disaportal.gsi.go.jp、および各自治体の防災マップ)
✅ 内見時の浸水チェックリスト
□ ハザードマップを確認:浸水想定区域に該当するか、想定浸水深はどの程度か
□ 地盤:低地、河川沿い、海岸沿い、旧河道に該当しないか
□ 階数:1階と地下は最もリスクが高く、低層階も注意が必要
□ 電気設備の設置場所:受変電設備や発電機が地下にあるか、高い場所にあるか
□ 過去の履歴:このエリアで過去に浸水した記録がないか
□ 防水対策:止水板、防水扉、排水ポンプの有無
□ 建物全体の防災体制:停電時の非常用電源、貯水設備、避難計画
□ 避難場所:最寄りの避難場所の場所とアクセス方法
浸水リスクが高いエリアは、絶対に購入すべきではない?そうとは限りません。リスクは管理することができます。より高い階層を選ぶ、重要な設備が地下に設置されていないか確認する、建物に止水対策や防災設備が整っているかを確認することで、被害を軽減できます。また保険についても忘れてはいけません。日本の火災保険には「水災(水災補償)」を付帯できますが、実際に補償されるかどうか、補償範囲がどこまでかは保険約款によって異なるため、加入前に必ず確認しましょう。つまり重要なのは「絶対に浸水しない」ことではなく、「浸水する確率、浸水の深さ、そしてそのリスクに自分が耐えられるかどうか」を見極めることです。
「地名」からも手がかりが見える日本の地名の中には、実は地形に関する手がかりが隠されているものがあります。「沼」「池」「川」「谷」「窪」「江」といった漢字を含む地名は、かつて水域や低地、旧河道だったことを示している場合が多く、浸水リスクがやや高い傾向があります。一方で「台」「丘」「山」「高」といった漢字を含む地名は、一般的に地盤が高く、比較的安全とされています。もちろんこれはあくまで参考程度であり絶対的な指標ではありませんが、ハザードマップと合わせて確認することで、より具体的なイメージがつかめます。
地盤の高低を確認:「標高」をチェックハザードマップのほかにも、国土地理院の地図で「標高」(海抜の高さ)を確認する方法があります。同じエリア内でも、わずか数メートルの高低差によって浸水リスクは大きく変わることがあります。低地、河川沿い、かつての水田や池を埋め立てて造成されたエリアは、大雨の際に水が集中しやすい傾向にあります。内見の際は建物自体だけでなく、「その土地がどれくらいの高さに位置しているか」も確認しましょう。
戸建てとマンションでリスクが異なる戸建て住宅は通常1階が生活空間になっているため、低地に建つ戸建ての場合、浸水すればリビングやキッチンが真っ先に被害を受け、復旧作業も大変になります。マンションの中高層階に住んでいれば比較的安全ですが、注意すべきなのは「共用設備」です。武蔵小杉の事例のように、電気設備室、駐車場、配電盤が地下に設置されている場合、建物全体が影響を受ける可能性があります。したがってマンションを検討する際は、自分の住む階だけでなく、「重要な設備がどこに設置されているか」も必ず確認しましょう。
分流式と合流式の下水道日本の下水道には2種類あります。「分流式」は雨水と汚水を別々の管で排水する方式で、大雨の際にトラブルが起きにくい特徴があります。「合流式」は両方を同じ管で処理する方式のため、非常に大量の雨が降ると処理が追いつかず、逆流を起こす場合があります。古い市街地には合流式が多く、新しく開発されたエリアには分流式が多い傾向があります。一般の買い手が見落としがちなポイントですが、大雨時の排水性能に確実に影響するため、中古物件を検討する際にはさりげなく確認しておくとよいでしょう。
💡 シュウ(周周)からのアドバイス
気になる物件が見つかりましたら、住所をシュウ(周周)にお送りください。ハザードマップの確認、地盤の状態、建物の防災設備について一緒に調べたうえで、購入の判断材料としてお使いいただけます。安価な低地の物件が絶対に買えないというわけではありませんが、リスクを正しく理解したうえで、納得して購入することが大切です。
この記事はこんな方におすすめです
・日本でも浸水リスクがあるか心配で、日本での住宅購入を検討している方
・河川沿いや海沿いの眺望の良い物件に興味があるが、リスクが不安な方
・タワーマンションや低層階の購入を検討中で、防災面を特に重視したい方
この記事を読んだ後、次にできること
・国土交通省の「重ねるハザードマップ」で物件の住所を検索する
・各自治体が公開している洪水・内水ハザードマップと照らし合わせる
・内見時に上記の浸水チェックリストを一つずつ確認する
・調べた情報をシュウ(周周)にお送りいただければ、リスクと対策を一緒に評価いたします
データ出典:国土交通省・日本下水道協会(下水道普及率、令和6年度)、国土交通省「首都圏外郭放水路」および重ねるハザードマップ(disaportal.gsi.go.jp)、日経クロステック/日経ビジネス(武蔵小杉 2019年台風19号 浸水報道)。異常気象や各地域の状況は変化するため、実際の判断は必ず公的機関の最新のハザードマップおよび公表情報をご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、投資・保険・融資・法律に関する助言を構成するものではありません。保険金の支払いは各保険約款の規定に基づきます。物件および契約内容については、専門家にご確認ください。