日本の不動産購入については、住宅ローン、管理費、固定資産税まで細かく調べる方が多い一方で、いざ売却する段階になって初めて「売却時にも税金がかかる」ことに気づく方が少なくありません。まず最も重要なポイントを押さえておきましょう。日本の売却時の課税対象は成約価格そのものではなく、実際に得た利益である「譲渡所得」(キャピタルゲイン)です。この記事では、売却でかかる税と、海外の所有者が注意すべき点を一度に整理します。
計算式は次の通りです。譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用。取得費とは、購入時にかかった費用(物件価格、土地代、仲介手数料、登記費用、印紙税、不動産取得税など)で、建物部分については減価償却分を差し引く必要があります。譲渡費用は、今回の売却にかかった費用(仲介手数料、測量費、解体費など)です。そのため、帳簿上は大きな利益が出ているように見えても税金がほとんどかからない方もいれば、売却価格がそれほど上がっていないのに思わぬ税額を課される方もいるのです。
取得費が不明な場合は?売却価格の5%で計算できますずっと前に買った、または相続した物件を売る場合、当時の売買契約が見つからず取得費を計算できないことがあります。この場合、税法では売却価格の5%を取得費とみなせます(概算取得費)。ただし通常これは不利です——取得費が低く抑えられ、帳簿上の利益が大きくなり税も増えます。当時の売買契約や費用の領収書は必ず保管しましょう。
建物は減価償却、土地は対象外取得費を計算する際、建物部分は保有年数に応じて減価償却されます(構造と法定耐用年数により計算)が、土地は償却されません。保有が長いほど建物の取得費は低く見積もられ、帳簿上の利益が大きくなることがあります。この計算は税額に直結するため、通常は税理士に任せるのが正確です。
📊 譲渡所得税の税率(2026年)
・長期譲渡(所有期間5年超):合計約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)。
・短期譲渡(所有期間5年以下):合計約39.63%(所得税30.63%+住民税9%)で、長期譲渡のほぼ2倍です。
・上記の所得税には復興特別所得税が含まれています。
情報源:国税庁(No.3208/No.3211)、三井のリハウス2026年度税金ガイド。
🕐 最も間違えやすい「5年」の数え方
これは購入から売却までの実日数ではなく、「売却した年の1月1日」時点で5年を超えているかどうかで判断します。
例:2020年7月に購入し、2025年8月に売却した場合、一見5年を超えているように見えますが、2025年1月1日時点で計算するとまだ5年に達しておらず、短期譲渡として39.63%が課税されます。税額が2倍近く変わるため、売却前に必ず確認が必要です。
1年の差で、税率が倍近く変わることも長期(保有5年超)と短期では税率が大きく異なり、約20%対約40%です。しかもこの「5年」は購入から売却までの日数ではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかで判定します。わずかな差で長期から短期になり税が倍近くになることも。売る前に保有期間がどちらに入るか確認するのは重要です。
✅ 居住用不動産の税制優遇
・要件を満たす居住用不動産の場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(居住用財産の3,000万円特別控除)。控除後、譲渡所得が控除額の範囲内であれば課税されません。
・居住用かつ所有期間10年超の場合、課税譲渡所得6,000万円以下の部分について約14.21%の軽減税率が適用される可能性があります。
・居住用として認められるか、これらの優遇が適用できるかは非常に大きな影響があるため、必ず税理士にご確認ください。
情報源:国税庁(No.3302/No.3305)。
海外にお住まいの方(日本の非居住者)の場合、いくつか特に注意すべき点があります。通常、税務通知や申告手続きを代行する「納税管理人」を選任する必要があります。売却後は多くの場合「確定申告」を国税庁に対して行う必要があります。また、場合によっては買主側で「源泉徴収」(税金の天引き)を行うこともあります。これらは売主・買主それぞれの立場や物件の用途によって異なるため、必ず司法書士・税理士にご確認ください。
海外の所有者は特に注意:源泉徴収非居住者が日本の不動産を売却する場合、原則として買主が売却価格の10.21%を先に源泉徴収して納付し、後で確定申告により精算します。(買主が自宅用で売却価格が一定額以下などの特定の場合は免除されることがあり、規定により判定されます。)海外の売主のキャッシュフローへの影響は小さくないため、事前に必ず計算に入れましょう。
売却後は「確定申告」が必要利益が出た場合(または控除の適用や源泉徴収の還付を受けたい場合)、通常は売却した翌年の2/16〜3/15に確定申告を行います。海外居住者は一般に、通知の受領や申告代行のため納税管理人を先に指定します。書類も少なくないため、早めに準備し税理士を見つけておくと安心です。
あわせて、よくある誤解も解いておきましょう。5,000万円で売却しても一律20%が課税されるわけではありません(課税対象はあくまで利益部分です)。1,000万円値上がりしても1,000万円全額に課税されるわけでもありません(購入時の費用を差し引くことができます)。海外在住者だからといって納税が免除されるわけでもありません(日本国内の不動産は原則として申告が必要です)。そして、売却したら手続きが終わりというわけでもありません(この後、納税管理人の選任、確定申告、送金計画などの対応が必要です)。
売却の「必要経費」も差し引けます譲渡所得の計算では、今回の売却で実際にかかった費用——仲介手数料、印紙税、測量費、売却のための解体や修繕など(譲渡費用)——を利益から差し引けます。領収書はすべて保管し、差し引けるものを漏らさないように。専門家に整理してもらうかで税額は大きく変わります。
「居住者」か「非居住者」かで税務は大きく異なる日本の税制では、売却時点のあなたの税務上の身分が見られます。日本に住み納税する「居住者」と、海外にいる「非居住者」では、申告方法・源泉徴収・一部控除の可否に違いがあります。自分がどちらか分からない場合は、まず税理士に確認しましょう。
台湾側でも納税は必要?台湾の税務居住者の場合、海外財産の取引所得は台湾でも申告・課税の問題が生じることがあり、日台間で二重課税になるかも関わります。全体の身分や金額によるため、両国の税務を一緒に確認し、日本側だけを見ないことをおすすめします。
売って損が出た場合は?売却が損失の場合、通常この損失を他の所得(給与など)と相殺できません。ただし自宅については特定の条件で損益通算と繰越の特例があります。適用できるか、どう計算するかは税理士が状況に応じて判断します。
いつ売るかも税に影響します保有5年を満たすかに加え、売却のタイミングはその年の他の所得、自宅控除の条件、為替換算とも関わります。数か月遅らせて保有期間の線を越えるだけで税が変わることも。売る前に税理士とスケジュールを立てる価値があります。
買った日から準備を売却の税は「買った時に決まる」部分が多く、当時の契約・費用の領収書・リフォームの記録を残しているかが、将来いくら差し引けるかに直結します。今は売る予定がなくても、これらの書類は保管しておくのがおすすめです。周周は購入時に、何を残すべきか先にお伝えします。
💡 周周からのアドバイス
売却前に一度シミュレーションをしておきましょう。売買契約書、登記関連資料、仲介手数料やリフォームの資料、想定売却価格を準備し、まず譲渡所得を試算しておくことで、成約後に想定外の税額に驚くことを防げます。
売る前に、まず方向性を売却の税は取得費・減価償却・保有期間・自宅かどうか・居住者身分が絡み合い、ご自身では把握しにくいものです。日本の物件を売りたい、まずどれくらい税がかかるか知りたい方は資料を周周へ。方向性を確認し、信頼できる税理士へのお繋ぎもいたします。きちんと申告してこそ、得た利益が本当に手元に残ります。
日本の不動産を売却したい方、あるいはおおよその税額を先に把握しておきたい方は、ぜひ資料をお送りください。まずは方向性を一緒に確認し、税理士のご紹介もいたします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務に関する助言を構成するものではありません。実際の課税については、国税庁の発表および税理士の見解に基づいてご判断ください。
周周・日本の不動産