「表面利回り10%」という数字を見て心が動く――これは日本の不動産投資を検討する方のほとんどが陥る最初の落とし穴です。水を差すつもりはありませんが、その魅力的な数字が、実際にあなたの手元に残る利益とは限らないことを、ぜひ理解していただきたいのです。
まず二つの言葉の違いを整理しましょう。表面利回りとは、年間家賃収入÷物件価格で計算され、コストは一切差し引かれていません。一方、実質利回りは、管理費、修繕積立金、固定資産税、空室損失、修繕費などを差し引いた後に、実際に手元に残る割合です。この二つは大きく異なることが少なくありません。
📊 2026年 東京の投資用中古マンション・利回り相場
・東京23区の投資用中古マンションの表面利回りは平均約5.5%で、最も多いのは4.0〜4.5%の物件(全体の約2割)です。
・築年数によって差が大きく、築20年以内のワンルームは約4.4%、築20年以上は約6.8%となっています。
・23区外では平均が約7.7%まで上昇しますが、これは概ね空室リスクや売却リスクの高さを伴います。
・一般的な選定基準は、表面利回り3.8%以上、実質利回り約3.0〜3.5%です。
情報源:健美家、各種不動産利回り統計(2026年)。数値はあくまで参考であり、実際は個別の物件により異なります。
お分かりいただけたでしょうか。利回りが高いほど良いとは限らず、むしろリスクが高いことも多いのです。安くて利回りの高い物件の裏には理由があることが少なくありません。立地が悪い、入居者が見つかりにくい、築年数が古く修繕が多い、あるいはエリアの人口が減少していて将来売却しづらい、といった事情です。表面上の数字が魅力的でも、実際の保有コストや売却コストは決して安くはありません。
📈 表面利回り
年間家賃収入÷物件価格
・広告に掲載されているのはこの数字
・コストは一切差し引かれていない
・初期の絞り込みには使えるが、「実際の収益」だと思うと誤解のもとになる
✅ 実質利回り
管理費、修繕積立金、固定資産税、空室損失、修繕費を差し引いた後の数値
・これこそが実際に手元に残るお金
・一般的に表面利回りより1〜2ポイント低くなる
✅ 周周が投資物件を見る際、必ず一緒に確認する項目
・家賃相場と実質利回り
・空室リスクとエリアの賃貸需要
・管理費と修繕積立金
・築年数と耐震性
・将来の売却のしやすさ(流動性)
・非居住者の送金と税務
💡 周周からのアドバイス
日本の投資用不動産は、価格の安さや利回りの数字の華やかさを比べるものではありません。安定して家賃収入が得られるか、将来きちんと売却できるかこそが、実際に利益を得られるかどうかを左右する本当のポイントです。
気になる物件がございましたら、ぜひお送りください。実質利回り、空室リスク、将来の売却のしやすさなど、見落とされがちなポイントを一緒に確認いたします。
※市況や利回りは変動します。本記事の数値はあくまで参考情報であり、税務に関しては税理士にご相談ください。実際の判断は個別の物件と最新の情報に基づいて行ってください。