「表面利回り10%」という数字を見て心が動く――これは日本の不動産投資を検討する方のほとんどが陥る最初の落とし穴です。水を差すつもりはありませんが、その魅力的な数字が、実際にあなたの手元に残る利益とは限らないことを、ぜひ理解していただきたいのです。この記事では、利回りの本当の意味と、購入前に本当に確認すべき点をご説明します。
まず二つの言葉の違いを整理しましょう。表面利回りとは、年間家賃収入÷物件価格で計算され、コストは一切差し引かれていません。一方、実質利回りは、管理費、修繕積立金、固定資産税、空室損失、修繕費などを差し引いた後に、実際に手元に残る割合です。この二つは大きく異なることが少なくありません。
実質利回りはどう見る?一つの例で例えば東京の中古ワンルーム 2,000万円、家賃 月8万円なら、表面利回りは 8万×12÷2,000万 = 4.8%です。しかし毎月の管理費・修繕積立金(合計約1.2万円と仮定)、固定資産税、保険、さらに時折の空室や修繕を差し引くと、実際に手元に残るのは 3%台まで下がることが多いです。これには購入時の仲介手数料や登記などの一時費用は含まれていません。何を差し引くか、どう見積もるかは物件ごとに異なり、まさに周周が一件ずつ試算するところです。(あくまで例であり、実際は物件・個別事情によります。)
📊 2026年 東京の投資用中古マンション・利回り相場
・東京23区の投資用中古マンションの表面利回りは平均約5.5%で、最も多いのは4.0〜4.5%の物件(全体の約2割)です。
・築年数によって差が大きく、築20年以内のワンルームは約4.4%、築20年以上は約6.8%となっています。
・23区外では平均が約7.7%まで上昇しますが、これは概ね空室リスクや売却リスクの高さを伴います。
・一般的な選定基準は、表面利回り3.8%以上、実質利回り約3.0〜3.5%です。
情報源:健美家、各種不動産利回り統計(2026年)。数値はあくまで参考であり、実際は個別の物件により異なります。
お分かりいただけたでしょうか。利回りが高いほど良いとは限らず、むしろリスクが高いことも多いのです。安くて利回りの高い物件の裏には理由があることが少なくありません。立地が悪い、入居者が見つかりにくい、築年数が古く修繕が多い、あるいはエリアの人口が減少していて将来売却しづらい、といった事情です。表面上の数字が魅力的でも、実際の保有コストや売却コストは決して安くはありません。
「安くて高利回り」の裏によくある理由利回りが特に良い物件には、たいてい理由があります。次のようなケースには特に注意が必要です。
・地方の一棟収益物件:帳簿上の利回りは高いが、人口流出で入居者が見つかりにくく、将来売りにくい。
・旧耐震(1981年以前):融資が難しく地震リスクが高い、将来の売却圧力も大きい。
・借地権物件:土地は借り物で、毎月の地代や更新料がかかり、銀行融資も制限される。
・事故物件(心理的瑕疵):安いには理由があり、賃貸も転売も影響を受ける。
・極小のワンルーム:単価の利回りは高く見えるが、入居者層が狭く空室リスクが高い。
触れてはいけないのではなく、自分が何を買うのかを正しく理解することが大切です。周周は物件の「安い理由」をはっきりお伝えします。
📈 表面利回り
年間家賃収入÷物件価格
・広告に掲載されているのはこの数字
・コストは一切差し引かれていない
・初期の絞り込みには使えるが、「実際の収益」だと思うと誤解のもとになる
✅ 実質利回り
管理費、修繕積立金、固定資産税、空室損失、修繕費を差し引いた後の数値
・これこそが実際に手元に残るお金
・一般的に表面利回りより1〜2ポイント低くなる
最も過小評価されがちな二つ:空室と修繕積立金試算では「満室」で計算しがちですが、実際には入居者の入れ替わりによる空室やフリーレント期間が必ず発生します。空室が1か月あると、年間の家賃収入が約8%減る計算です。また中古マンションの修繕積立金は築年数とともに上がり、購入時は安くても数年後に大きく上がることはよくあり、これが実質利回りを直接削ります。物件を見る際は、この二つを必ず一緒に確認しましょう。
退去時の「原状回復」も一つの費用入居者が退去した後、壁・床・設備は再び貸し出すために整える必要があり、この原状回復費用の一部を貸主が負担することもあります。入れ替わりが多いほどコストは増えます。これも実質利回りで見落とされやすい部分で、試算時に忘れないようにしましょう。
購入時と保有時のコストも忘れずに利回りは「保有中」の家賃収益を示すものですが、購入時の仲介手数料・登記費用・不動産取得税、そして毎年の固定資産税・都市計画税も実際のリターンを目減りさせます。表面利回りだけで判断すると過大評価しがちです。一時費用と毎年の固定費を一緒に入れて、はじめて本当の数字が見えてきます。
✅ 周周が投資物件を見る際、必ず一緒に確認する項目
・家賃相場と実質利回り
・空室リスクとエリアの賃貸需要
・管理費と修繕積立金
・築年数と耐震性
・将来の売却のしやすさ(流動性)
・非居住者の送金と税務
海外在住なら、通常は管理を委託します集金・募集・修繕・入居者対応は、海外の所有者ならほぼ賃貸管理会社への委託が必要です。管理費は通常、家賃の 5%程度(会社による)が目安です。これは海外投資では避けられない費用で、実質利回りの試算時に差し引きます。周周が信頼できる管理会社をご紹介・お繋ぎできます。
海外の所有者は税務と送金にも注意非居住者(日本で納税していない方)の場合、日本の家賃収入は通常確定申告が必要で、状況によっては入居者や管理会社が源泉徴収を行います。売却時にも相応の規定があります。実際の税額や申告方法は税理士にご自身の立場に応じて確認してください。周周は「集金・台湾への送金・税理士探し」の流れを事前に繋いでおけるので、購入後に税務で行き詰まることがありません。
買えるだけでなく、売れることが大切投資用不動産が本当に利益を実現するのは売却の瞬間です。安定して貸せて、なおかつ将来引き取り手がいて、はじめて完結します。人口に支えられ、駅に近く、状態と管理の良い物件は、転売時にも比較的相場がつきやすいものです。周周は投資物件を見る際、目先の利回りだけでなく将来の転売しやすさも必ず一緒に評価します。
広告の利回りは「初期スクリーニング」用表面利回りは利益の保証ではなく、複数の物件を素早く比較するための最初のふるいです。実際に購入する前には、実質利回り、賃貸の現況(入居中か、家賃が割高でないか)、入居者層や管理状況まで必ず確認しましょう。広告の数字だけで手を出すのが、最も後悔しやすい買い方です。
築浅か築古か?利回りとリスクのトレードオフ築浅の物件は表面利回りが低め(4%前後)ですが、入居者が見つかりやすく、修繕も少なく、融資も転売も比較的スムーズです。築古は表面利回りが高く見えます(6〜7%の場合も)が、修繕・空室・融資の難しさも上がります。絶対的な良し悪しはなく、安定を取るか帳簿上の数字を取るか次第です。周周は資金・保有期間・リスク許容度に応じて、より適した方をご提案します。
投資物件のローンは自宅より条件が厳しめ住宅ローンで投資用収益物件を買う場合、審査は自宅用より厳しく、融資割合が低め・金利が高めになることが一般的です。借りられるか、いくら借りられるかは個別の事情と銀行の審査によります。これは自己資金や実際のリターンに直結します。周周がまずこの物件のおおよその融資可能性を評価し、そのうえで利回りが妥当か確認します。
利回りは評価の出発点であり、終点ではない利回りを正確に計算するのは第一歩にすぎません。本当に収益を左右するのは「今後数年、安定して貸せるか、売れるか」です。これには地域の人口・供給・状態・管理を一緒に見る必要があり、そうして初めて数字に意味が出ます。これこそ周周に相談する価値――計算だけでなく、判断までお手伝いします。
💡 周周からのアドバイス
日本の投資用不動産は、価格の安さや利回りの数字の華やかさを比べるものではありません。安定して家賃収入が得られるか、将来きちんと売却できるかこそが、実際に利益を得られるかどうかを左右する本当のポイントです。
気になる物件がございましたら、ぜひお送りください。実質利回り、空室リスク、将来の売却のしやすさなど、見落とされがちなポイントを一緒に確認いたします。
※市況や利回りは変動します。本記事の数値はあくまで参考情報であり、税務に関しては税理士にご相談ください。実際の判断は個別の物件と最新の情報に基づいて行ってください。
周周・日本の不動産